内視鏡画像計測について正しいのはどれか。2つ選べ。
a: ファイバスコープは先端に光源が装着されている。
b: 狭帯域光を用いて毛細血管を強調表示できる。
c: カプセル内視鏡は小腸病変の診断に使われる。
d: ファイバスコープは画像が記録できない。
e: 電子内視鏡は光源装置が不要である。
内視鏡システムは、ビデオスコープとビデオシステム本体(カラーモニター、ビデオシステムセンター、光源装置)の二つに大別される。ビデオスコープは、操作部、挿入部、先端部、接続部からなり、接続部がビデオシステム本体につながり、伝達される画像はモニターで観察される。このモニターには、ビデオスコープの先端に組み込まれた小型撮像素子(CCDなど)でとらえた鮮明な画像が映し出される。操作部は、内視鏡の湾曲を上下左右に制御するアングルノブ、送気送水ボタン、吸引ボタンや処置具を挿入する鉗子口がついている。内視鏡の先端部には、臓器内部の粘液や血液で先端レンズが汚れたときに水や空気を噴出して洗い流すノズルや対物レンズを通じて画像をとらえるための超小型高性能CCDなどが埋め込まれている。
a:光源装置は、消化管内を照らす照明装置であり、内視鏡のライトガイドに光を導光させるための装置である。使用されるランプには大きく分けてキセノンランプとハロゲンランプの2種類があるが、一般的には明るく自然光に近い波長分布を持つキセノンランプが用いられる。現在では高輝度キセノンランプが主に使用されており、ハロゲンランプは非常灯として内蔵されている。また、光源装置内には送気・送水を行うための空気ポンプが内蔵されている。
b:正解。NBI(狭帯域光観察:Narrow Band Imaging)とは、通常、光の三原色(赤R、緑G、青B)の白色光で観察しているが、赤のみを除くことにより粘膜表面の血管を浮かび上がらせる特殊システムのこと。390~445nmの青色、530~550nmの緑色のみをヘモグロビン吸収特性に合わせた帯域制限することで表層微小血管と中深層血管を明確に識別することができる。
c:正解。カプセル内視鏡は、小型カメラを内蔵したカプセル状の内視鏡。小腸・大腸の観察を目的とした内視鏡で、従来の内視鏡では不可能であった小腸の観察を可能とした製品。口から飲み込み、腸内の撮影を行い、肛門から排出される。低侵襲に消化管の検査を行うことができる機器で、日本では、小腸用と大腸用のカプセル内視鏡が、医療で使用されている。サイズは、直径約 10mm、長さ 30 mm程度。
d:システムプロセッサは内視鏡先端にあるCCDから取り込まれた電気信号を映像信号に処理し画像モニタに伝える装置である。光源からの導光はグラスファイバー束で行い、体内での反射光は電子スコープ先端のCCDで電気信号に変換され、プロセッサ内部でテレビ信号に変換されることによって画像がモニタに映し出される。ホワイトバランス、色調構成、構造強調、色彩強調、測光切り替え、特殊光切り替えなどの画像調整、プリンタへの出力、接続されたキーボードにより患者情報の入力、リモートスイッチの設定等を行っている。
e:生体内部を観察する際には、照明光が必要である。